旨い物Ⅱ

2023年03月10日

野菜料理が好きで

脂肪たっぷりの肉が苦手と書きましたが

肉が嫌いなわけではありません

口当たり良く調理された赤身肉は美味しいと思います


生まれて初めて食べたステーキは

叔父が連れて行ってくれた洋食屋さんの

ヒレステーキでした

小学生の3年生くらいでしたが

それ以来ステーキと言えばヒレと

私の脳には刷り込まれました


群馬県は養豚が盛んなので

肉と言えば豚肉なのですが

肉牛の飼育も少なくありません



今までは群馬県産牛を出荷して

出荷先で一定期間肥育したのち

そこの地域のブランドで

売りに出されると聞いていました


でももうだいぶ前から群馬のブランド牛を

作ろうと関係者は努力を重ねています

県外でどのくらい浸透しているのかは

私にはわかりませんが

今日は高級牛肉でいこうと思ったときに

選択肢に入ってくるくらいには私の頭に定着しています



普段使う肉は豚肉か鶏肉が圧倒的に多いですが

食肉加工の関係者から聞いた話では

群馬県民はあまり肉を食べないのだそうです

興味を惹かれて周囲の人に普段どのくらい肉を食べるか

聞いて回ったことがあります

年齢的にも比較的高齢層であったので

「野菜炒めに入れるくらい」

という人が多かったように感じます

群馬県民はマグロの刺身の消費が多いという記事も

見たことがあるので、どちらかと言えば魚派の人が

多いのかなと認識しています。




旨い物

2023年03月05日

一般に美味しい物・御馳走というと

さしがたっぷり入ったブランド牛肉とか

マグロの大トロ部分とか

脂肪の多い食材が

もてはやされています


あるいはいかに価格の張る食材を使っているか

という切り口でアピールされることが

多いような気がします


私は子供の頃から肉の脂身が苦手で

豚ロースの脂身部分を

そっくり外して食べていたので

脂のきつい食材は苦手です


サンマやサバなら脂ののった身を堪能できますが

和牛のサーロインとかになると無理です

昔恵比寿のお寿司屋さんで

「今日は大トロの良いのがありますよ」と言われ

大トロ自体はあまり食べたことがなかったので

炙りで頼んでみましたが

やっぱりこれは私には無理と感じました


脂肪たっぷりとまではいかなくとも

若いころはそれなりに

こってりしたものも好きでしたが

今では冬になると

じっくりと煮込んで味のしみた大根が食べたいとか

白菜とねぎが大量に入った鍋が食べたいとか


夏場なら万願寺トウガラシや伏見唐辛子などを

じゃこと一緒に炒め煮にしたり

茄子を揚げて天つゆと大根おろしたっぷりで食べたり


そんな献立を考えていると食欲がわいてきて

いそいそと野菜を買いに出かけるのです


今の時期なら

スナップエンドウやアスパラガスが

出始めているので鶏肉やむき海老と一緒に

あっさりと炒めても美味しいなあなどと

買い物をしながら考えます。


なのにその隣にやまうどが出ているのを見ると

これを金平にしても良いねえと考えが移ります

そんな状態で買い物をすると

いったい何を作りたいのかわからないような物が

買い物かごの中にたまっていきます


前橋に住んでいるから

こういう嗜好になったのでしょうか

年齢的なものもあると思いますが

今住んでいるこの地域は

食の観点から見ると天国です





昆布-Ⅱ

2023年02月23日

出汁昆布は実際に使うことがなくなっても

まわりまわってインスタント出汁として使っています

でも昆布巻きや切昆布を食卓にのせることは

もうお正月くらいしか無いのではないでしょうか


昔私の母は新巻き鮭のカマの部分を一口大に切り

良い昆布を選んでそのカマを巻き

干瓢で縛っておでんの具にしましたが

恐ろしく手間がかかりました


でも時間をかけて骨まで柔らかく煮た

鮭カマの昆布巻きは美味しかったです

年齢的にも昆布巻きなんてあまり好まない年代でしたが

あの昆布巻きはまた食べたいと思いました


がごめ昆布が健康食品として一時的にブームになったり

塩昆布を浅漬けやサラダに使うレシピが出たり

手軽にできるレシピがよくあるので

まだ昆布の需要は何とか続くのでしょうが

昆布巻きが煮汁を吸って昆布自体の厚みを増し

昆布のうまみと煮汁の味が染みた昆布巻きに

かじりついて感じる醍醐味は

塩昆布や細切昆布では味わえません



昔ながらの手間と時間をかけた料理が

無くなっていくのはとても寂しいです。


時間があるときに自分で作ろうという気持ちは

あるのですがなかなかその時が来ません






昆布

2023年02月20日

ここのところ昆布加工をメインにしている会社と

何度かやり取りしています


昆布は鰹節と並んで

和食の味の基本となる物ですが

実際に昆布や鰹節で出汁を取る家庭は

今の日本にどのくらい残っているのでしょう


昆布と鰹節で丁寧に出汁を引いて作った吸い物は

ちょっとびっくりするくらい美味しく仕上がります

でも一般の家庭で毎日それをするのは無理があります

それにお金もかかります

あと何より残った出汁殻といいますか

美味しい出汁を取った後に残った

昆布と鰹の処分に悩みます


昔の料理本にはその出汁殻を使って

佃煮を作ると無駄になりません

と謳っていましたけど

毎日毎日作っていたら食べきれません

そもそも料理にそこまで時間と手間をかけるのは

現役世代には無理な話です


でも覚えていて良いと思う技が

昆布の水出しです


麦茶のポットに昆布を入れて

水を注ぎ冷蔵庫に入れて

一晩~丸一日ほど置いておくと

とっても良い昆布出汁がとれます

これを鍋に入れて加熱し

沸騰したら削り節をいれます

使う昆布や削り節の量にもよりますが

かなり上質の吸い地ができます


煮物にもその昆布出汁を使えるし

昆布出汁は癖がなく

かつお出汁のように強い香りも無いので

結構何にでも使えます

(作ったら早めに使い切りましょう)

このくらいの量なら引き上げた昆布は

炊き込みご飯に炊きこんで炊きあがってから

中の昆布を引き出して

細かく刻んで御飯に混ぜ込んで完食です






2023年02月12日

冬場なので下仁田葱に続いて葱の話題です


以前、暮れになると埼玉の取引先から

深谷葱を頂いていた時期がありました

深谷も葱の産地として有名です

頂いた葱も繊維が柔らかく

美味しかったのを覚えています

後から色々と深谷葱に関する話を聞く機会があって

深谷市の新戒地区の葱が別格で美味しいと教わりました

やはり農産物は土壌の影響が大きいのですね


農家は主な栽培品以外に自家消費するための畑を作り

色々なものを栽培していますが

それらを頂くことも多く

しかもそれがとても美味しかったりします

時に名の知れたブランド野菜より

はるかに美味しいときもあります

自分の作った農産物を

ブランド化することが得意な農家はめったにないですが

つくづく職人なんだなあと感じる瞬間です

それとも土壌が良いのでしょうか


前橋市の大胡地区にごく一部

抜きんでて良い大根が取れる土地があるそうなのですが

ほとんど話題に上りません

古代の地層が露出しているとかでその部分でだけ

秀逸な大根ができると当社の会長は言います

農地がどんどん住宅地に変わっていきます

家が建ってしまえばそんな事

誰も思い出さなくなってしまうでしょう



下仁田葱

2023年02月12日

「国府白菜」の回で

「馬山地区産下仁田葱」を出しましたが

この馬山地区というのは

もともとの下仁田葱の産地です


昔、下仁田葱はこの地区でないと

出来なかったと聞いています

他の地域に種をまいても

同じ物にならないという話でした


品種改良が進み馬山地区以外の地域でも

下仁田葱の栽培ができるようになり

普通にスーパーに並ぶようになりました


こだわりの強い八百屋に並んでいた

昔の「馬山地区産下仁田葱」は

畑で青みの部分が枯れて茶色くなったころ収穫されて

店頭に並んだ時は見た目は決して良くないのですが

白身の部分が太く固く締まっていて

結構な存在感でした


下仁田葱は生でかじると辛みが非常に強いのですが

加熱するとそれが甘味に変わります

鍋にするのが最適ですが

これをぶつ切りにして天ぷらにしたり

じっくり焼いて食べても本当に美味しいネギです

馬山地区では今でも下仁田葱の出荷は

12月1日を解禁日としています

直売所

2023年02月11日

厳冬期の今、JAの直売所には

冬場に穫れる農産物が

キラキラと並んでいます


見事に巻の締まった大きな白菜

大小さまざまな大根

太くて柔らかそうなネギ

鮮度良く茎の太い

ブロッコリーやカリフラワー

平たく葉を広げた縮みほうれん草

春菊も豊富です


肉厚の立派な椎茸や舞茸

真っ赤な苺もより取り見取りです

また県北から来たリンゴも豊富に並んでいます

私の好きな「国府白菜」も並んでいます

「国府白菜」を使った白菜漬けも

真っ赤なバケツに入って並んでいます


その並びには

海藻の入った黒い蒟蒻や白い蒟蒻

形状の違うものが幾種類か並び

生芋蒟蒻もあります


そういった品々の間に

リーキや筍芋やその他

スーパーではあまり見ない物があるので

じっくり探します

ちょっとした宝探しのようです







国府白菜-追記

2023年02月10日

ずいぶん前の事ですが

北海道の中札内の道の駅にあるレストランで

出てきたサラダがとても美味しかったのです

普通のサラダです

でも使っている野菜が

よくあるサラダの内容と少し違います

甘味のある淡白な味わいの野菜

これなんだろうと思いましたが

すぐに「白菜だ!」と気づきました

鮮度も良かったのでしょうが

生で食べる白菜がこんなに美味しいとは知りませんでした


家に帰ってからやってみようと思いましたが

習慣化していないことはなかなか実行できません

「国府白菜」をサラダにしたらきっと美味しい

と思っているのですが「国府白菜」が出ている時期は

どうしても鍋やスープが先に来てしまい

いまだに実現していません

今シーズン中には必ず作るぞと心に決めています


国府白菜

2023年02月07日

地元産の伝統野菜に「国府白菜」があります

知る人ぞ知る伝統野菜です

昔からその美味しさで知られる「国府白菜」は

クリーム色の地に朱色で印刷された紙で

2個一締めにした姿で店頭に並びます


白菜自体に甘味があり美味しいので

鍋にしても白菜漬けにしても

炒めてもキムチにしても最高です


群馬に住んでできる冬の贅沢の一つが

「国府白菜」と「馬山地区産の下仁田ネギ」

群馬県産の肉厚椎茸と下仁田産の白滝

それに「上州牛」や「赤城牛」あるいは県産の豚肉で

すき焼きやしゃぶしゃぶを食べることです

春菊も普通に前橋産を買うことになりますから

全部 群馬県産で最高の鍋の材料が揃います


ただし「馬山地区産の下仁田ネギ」は12月1日が解禁で

「国府白菜」も寒くならないと出回らないので

冬限定の贅沢です



さつまいも

2023年02月02日

自社で干し芋作りを始めてから

自分たちの周辺に

これほど干し芋好きが多かったのかと

驚いています

また江戸時代に救荒作物として

サツマイモ作りが広がった意味が

じわじわと理解できました


私自身も干し芋は普通に食べますが

世の中の干し芋好きの数は

予想の範囲を超えていました

思い出してみれば私の伯母も

茨城から毎年一斗缶で干し芋を送ってもらっていました

焼き芋のブームもここのところずっと続いています

改良を重ねて美味しいサツマイモが増えているのも

理由の一つでしょうが

もともと人に好まれる素材なのでしょうね


あれば食べるという程度だった私も

サツマイモの事を知るうちに

サツマイモというのは重要な作物なのだと

考えるようになりました


サツマイモは食物繊維が豊富で

含まれるカリウムも多く

ビタミンCも蒸し芋100gの中に

苺3粒分とほぼ同じくらい含まれていて

健康面で好ましい点が多いのです


日本の食料自給率が伸び悩んでいる現状で

サツマイモの存在は大きいのではないでしょうか