私は無農薬無添加を謳う商品には懐疑的です
深い知識と高い技術を持ち
その上で困難を乗り越えて
無農薬無添加で安全で美味しく
日持ちもする物を作ろうとする人もいると思うので
そんな方々の成果は楽しみですが
安易に無農薬無添加を謳いたがる人が多いとも感じています
無農薬無添加だから安全安心と謳うのは
食に関する知識に欠けていると思います
自然とは決して人に優しいものではありません
科学の発達は自然との闘いだったはずです
実際、現代でも食品関連の健康被害は
圧倒的に食中毒菌や自然毒が原因です
その食中毒菌を抑えるために添加物が作り出され
それを使用して一定期間の品質が保たれています
以前から明らかな発がん性と
実際の健康被害を指摘されていたものが
たばことアルコールです
データでも検証されていることで生活への影響度を考えると
添加物の比ではありません
でもマスメディアの取り上げ方や
一般消費者の認識はかなり偏ったバイアスがかかっていて
多数派の認識を覆すことは難しいです
飲酒と喫煙は本人の自覚のもとでコントロールするべき問題なので
ことさら目の敵にするつもりはありません
煙草に関しては周囲にも影響があるので
私のそばで匂いをさせないでほしいとは思いますが
喫煙者を殊更責める気もありません
でも健康被害があるのは明らかですし
アルコールにも発がん性があるのは歴然としています
大分前の事ですが
当店にお越しになったお客様が
みそ漬に着色料は使っていないのかと
ずいぶんこだわって質問した方がいらっしゃいました
結局みそ漬は買わずに何を買ったかと言いますと
鮮やかなピンクの桜大根をお買い上げになりました
会計をしながら私の頭の中には?マークがいくつも浮かびました
聞くまでもなく人口着色料使用は一目瞭然です
なのに何故?
人の頭の中は合理的に整然と整っているわけではありません
私自身、考えている事と行動がしばしば矛盾していることもあり
それは充分認識しているつもりです
頭の中では保存料や着色料を危険視していても
日常的に食べている物に関しては意識のハードルが下がる
あるいは好きな物に関しても同様でしょう
これも正常性バイアスの内なのでしょうか
そんな科学的には まとまりのない食生活でも
ほとんどの人は大過なく暮らし
平均寿命をここまで伸ばしてきたのですから
あまり神経質になる必要もないと私は考えています。