2023年03月19日
干し芋の製造工程で成形する際
切り落としの部分が出るのですが
それも乾燥させます
正規品と同じ芋から出た物で
糖度も色も同じですが恰好が悪い部分です
これを「切り落とし」として
販売しているのですが
形と多少の硬さのばらつきがあるだけで
美味しいのです
特に一番端の部分がねっとりと柔らかく
口当たりが良いので
私は正規品よりも好きです
値段もお得感があるので
こちらのほうを買っていくお客様も多く
正規品は人にあげるときのために購入し
自宅用は「切り落とし」という人も珍しくないようです
2023年03月12日
SDGsが呼びかけられ
食品ロス削減が叫ばれるようになり
スーパーの売り場の棚には
「手前取り推奨」という文言が
さりげなく張られるようになりました
良いことだと思います
「消費期限」が付いた鮮魚や生肉ならいざ知らず
パッケージされて「賞味期限」が付いた食品は
すぐに品質が変わるものではないのですが
以前は
「賢い主婦はなるべく賞味期限の長いものを選びましょう」
などと雑誌やテレビで言われていました
食品の使用期限というものが
初めて付けられるようになったころ
塩や砂糖まで日付を切って店頭に並び始めたので
あきれたのを覚えています
あの頃から徐々に多くの人の
食品に対して食べられるか食べられないかを
見極める能力が低下していきました
それは子供に家事の手伝いをさせなくなって
勉強さえしていれば親は文句を言わないという
当時の社会状況も拍車をかけたように思います
話は少し違いますが
昔は味噌漬けは完全に保存食で塩が強く
常温で永く置いておける食品でした
「たむらや」のみそ漬も開封する前ならば
常温で置いておけますが
塩を大分減らしてきましたので
昔の感覚で扱われると困ります
でもお年寄りの中にはみそ漬だからと
贈答で貰ったものを押し入れにしまって
そのまま忘れて気付いた時には
1年2年たっていたという事がままあるようで
通販に交換してくれないかという問い合わせが来たことがあります
さすがに交換はお断りしましたが
送りつけられてきた「2年物の当社のみそ漬」の状態は
なかなかすごい色で
墨汁のように真っ黒になっていました
でもガスが出て袋が膨らんでいるわけでもなく
触ってみてもそれなりの感触は保たれています
この状態ならば食べても健康被害はないだろうと判断し
試しに切って食べてみました
食べることは可能でしたが
味噌の風味は本来の物とは別物で
お世辞にも美味しいとは思えませんが
塩加減はまろやかになっていました
色があまりに衝撃的なのでそれ以上は手が出ませんでしたが
2023年03月10日
たむらやのレストランでは木曜と金曜だけ
地元の幼稚園の給食用のお弁当を作っています
3月3日のお弁当に栄養士がちらし寿司の献立を立てました
予算も限られていますので豪華な食材は使えませんが
錦糸卵で華やかに飾り
地元農家の苺も添えてひな祭りらしさを出しました
幼稚園の先生からは
今の家庭ではひな祭りにちらし寿司を作る家庭もあまりないので
お弁当に取り入れてくださってありがとうございました・・・・と
コメントを頂きました
お寿司屋さんやスーパーのお弁当コーナーに
海鮮チラシは良くありますが
家庭で作るちらし寿司は
だんだん無くなってしまうのかと考えると残念です
昔、私の祖母が作った五目ずしは
椎茸や干瓢や人参その他それぞれ味をつけて
混ぜ込んであったように思います
石打の親戚の家にスキーをしに行ったとき
おばさんがお弁当につくってくれた五目ずしは
クルミが入っていました
子供の頃はそのありがたみがわからず
気分で食べたり食べなかったりでしたが
今となっては作り方を聞いておけばよかったと
悔やまれます
まあ作り方を知っていても
実際に作れるかは微妙ですけど
2023年03月10日
野菜料理が好きで
脂肪たっぷりの肉が苦手と書きましたが
肉が嫌いなわけではありません
口当たり良く調理された赤身肉は美味しいと思います
生まれて初めて食べたステーキは
叔父が連れて行ってくれた洋食屋さんの
ヒレステーキでした
小学生の3年生くらいでしたが
それ以来ステーキと言えばヒレと
私の脳には刷り込まれました
群馬県は養豚が盛んなので
肉と言えば豚肉なのですが
肉牛の飼育も少なくありません
今までは群馬県産牛を出荷して
出荷先で一定期間肥育したのち
そこの地域のブランドで
売りに出されると聞いていました
でももうだいぶ前から群馬のブランド牛を
作ろうと関係者は努力を重ねています
県外でどのくらい浸透しているのかは
私にはわかりませんが
今日は高級牛肉でいこうと思ったときに
選択肢に入ってくるくらいには私の頭に定着しています
普段使う肉は豚肉か鶏肉が圧倒的に多いですが
食肉加工の関係者から聞いた話では
群馬県民はあまり肉を食べないのだそうです
興味を惹かれて周囲の人に普段どのくらい肉を食べるか
聞いて回ったことがあります
年齢的にも比較的高齢層であったので
「野菜炒めに入れるくらい」
という人が多かったように感じます
群馬県民はマグロの刺身の消費が多いという記事も
見たことがあるので、どちらかと言えば魚派の人が
多いのかなと認識しています。
2023年02月23日
出汁昆布は実際に使うことがなくなっても
まわりまわってインスタント出汁として使っています
でも昆布巻きや切昆布を食卓にのせることは
もうお正月くらいしか無いのではないでしょうか
昔私の母は新巻き鮭のカマの部分を一口大に切り
良い昆布を選んでそのカマを巻き
干瓢で縛っておでんの具にしましたが
恐ろしく手間がかかりました
でも時間をかけて骨まで柔らかく煮た
鮭カマの昆布巻きは美味しかったです
年齢的にも昆布巻きなんてあまり好まない年代でしたが
あの昆布巻きはまた食べたいと思いました
がごめ昆布が健康食品として一時的にブームになったり
塩昆布を浅漬けやサラダに使うレシピが出たり
手軽にできるレシピがよくあるので
まだ昆布の需要は何とか続くのでしょうが
昆布巻きが煮汁を吸って昆布自体の厚みを増し
昆布のうまみと煮汁の味が染みた昆布巻きに
かじりついて感じる醍醐味は
塩昆布や細切昆布では味わえません
昔ながらの手間と時間をかけた料理が
無くなっていくのはとても寂しいです。
時間があるときに自分で作ろうという気持ちは
あるのですがなかなかその時が来ません
2023年02月12日
冬場なので下仁田葱に続いて葱の話題です
以前、暮れになると埼玉の取引先から
深谷葱を頂いた時期がありました
深谷も葱の産地として有名です
頂いた葱も繊維が柔らかく
美味しかったのを覚えています
後から色々と深谷葱に関する話を聞く機会があって
深谷市の新戒地区の葱が別格に美味しいと教わりました
やはり農産物は土壌の影響が大きいのですね
農家は主な栽培品以外に自家消費するための畑を作り
色々なものを栽培していますが
それらを頂くことも多く
しかもそれがとても美味しかったりします
時に名の知れたブランド野菜より
はるかに美味しいときもあります
自分の作った農産物を
ブランド化することが得意な農家はめったにないですが
つくづく職人なんだなあと感じる瞬間です
それとも土壌が良いのでしょうか
前橋市の大胡地区にごく一部
抜きんでて良い大根が取れる土地があるそうなのですが
ほとんど話題に上がりません
古代の地層が露出しているとかでその部分でだけ
秀逸な大根ができると当社の会長は言います
農地がどんどん住宅地に変わっていきます
家が建ってしまえばそんな事
誰も思い出さなくなってしまうでしょう