山椒の葉

2023年03月28日

以前作っていた「山椒の浅炊き」は

発売当初、私自身も山に入り山椒の葉を採りました

社長の実家の所有する山林の木々の陰に

山椒の木が自生しているのでその葉を摘みます



口で言うと簡単ですが斜面に落ち葉や枯れ枝や雑草が積もり

岩や朽ち木も横たわっていたりします

足場が悪く移動するのに予想外に時間がかかります

そのうえ棘のある山椒の木から葉を摘むのは

そんなに簡単な作業ではありません



庭の山椒の木からあしらいに使う木の芽を摘むのは

なんてことない片手間仕事ですが

炊くために摘む山椒の葉は作業の難しさから考えると

気の遠くなるような仕事でした



その頃まだ元気だった義母が手伝ってくれましたが

七十を過ぎた義母が足場の悪い中を

まるで舗装道路を歩くのと同じペースで動くのを見て

びっくりしました



義母は山に入るのが好きで

周りの心配をよそに山菜取りによく山に入っていたようで

慣れた作業で葉を摘むのも早く

私は太刀打ちできません



なぜ山林の中で山椒を取るかと言えば

木の陰に自生している山椒の葉が

柔らかくて美味しいからですが

作業効率から考えると割高です



自分で何度か体験してみてよくわかりますが

経験のない人にやってもらっても

時間当たり採取できる量はごくわずかです

慣れた人の三分の一くらいしか私は摘めなかったのです



もともと山での採取に慣れた人でないと

勤まらない仕事です

微々たる量しか採れなければ

こちらで買い取るにしても大した金額になりません


農家のお年寄りで山に入って

普通に山菜を採取している方たちに

山椒を採ってもらっていましたが

そういった習慣のある世代はもう皆さん体が利かなくなり

若い世代でそれをやろうという人は

もういないでしょうね