手前取り

2023年03月12日

SDGsが呼びかけられ

食品ロス削減が叫ばれるようになり

スーパーの売り場の棚には

「手前取り推奨」という文言が

さりげなく張られるようになりました

良いことだと思います


期限」が付いた鮮魚や生肉ならいざ知らず

パッケージされて「賞期限」が付いた食品は

すぐに品質が変わるものではないのですが

以前は

「賢い主婦はなるべく賞味期限の長いものを選びましょう」

などと雑誌やテレビで言われていました


食品の使用期限というものが

初めて付けられるようになったころ

塩や砂糖まで日付を切って店頭に並び始めたので

あきれたのを覚えています


あの頃から徐々に多くの人の

食品に対して食べられるか食べられないかを

見極める能力が低下していきました

それは子供に家事の手伝いをさせなくなって

勉強さえしていれば親は文句を言わないという

当時の社会状況も拍車をかけたように思います


話は少し違いますが

昔は味噌漬けは完全に保存食で塩が強く

常温で永く置いておける食品でした


「たむらや」のみそ漬も開封する前ならば

常温で置いておけますが

塩を大分減らしてきましたので

昔の感覚で扱われると困ります


でもお年寄りの中にはみそ漬だからと

贈答で貰ったものを押し入れにしまって

そのまま忘れて気付いた時には

1年2年たっていたという事がままあるようで

通販に交換してくれないかという問い合わせが来たことがあります


さすがに交換はお断りしましたが

送りつけられてきた「2年物の当社のみそ漬」の状態は

なかなかすごい色で

墨汁のように真っ黒になっていました

でもガスが出て袋が膨らんでいるわけでもなく

触ってみてもそれなりの感触は保たれています

この状態ならば食べても健康被害はないだろうと判断し

試しに切って食べてみました


食べることは可能でしたが

味噌の風味は本来の物とは別物で

お世辞にも美味しいとは思えませんが

塩加減はまろやかになっていました

色があまりに衝撃的なのでそれ以上は手が出ませんでしたが