「群馬大学食健康科学教育研究センター」公開講座に行ってきました。

2019年12月21日

2019年も残すところ、あと10日となりました。

2020年は、より一層環境問題がクローズアップされる年になりそうです。

政府だけでなく、大手企業は早くから「プラスチックゴミ問題」に着目し

その改善に取り組んでいるそうです。

日本は、高温焼却炉にてゴミを燃やしているので海に流出するゴミは

世界的にみると少ないのですが、焼却時に発生するCO2を指摘さています。

2015年7月に外務省が国連気候変動枠組条約(UNFCCC)へ

CO2排出量を2030年度までに2013年度比▲26%とする草案を提出しました。

これにより、バイオマス由来プラスチックの普及が具体化されたのです。

7月のレジ袋有料化にもつながります。

そして世界的には「マイクロプラスチック問題」も深刻化しており

勉強しなければならない課題だと思っていました。

そんな矢先に、海洋プラスチックゴミ問題に何年も前から取り組んでいた

群馬県食健康科学教育研究センター長・粕谷先生の公開講座の案内を

いただきました。

学生さんだけではなく、一般人も受講できるということで

群馬大学の桐生キャンパスに行ってきました。

現在、土では分解できるプラスチックはあり、製品化されているが

海で分解できるもの(海洋生分解プラスチック)製品はないそうです。

しかし、製品化まであともう一歩のところまできているそうです。

(その内容は、某テレビ番組で取り上げられました。先生も出演していました)

素人考えだと、「海で分解できればいいんじゃあない」と思ってしまいます。

海洋ゴミの多くは、漁具だとも言われています。

しかし、漁具が海で使用している最中に分解してしまったら、元も子もありません。

そこで、先生の研究チームは破損して海の底に沈んでしまった段階で、

「トリガー(外部刺激)」から分解がはじまるようにすることを考えたそうです。

また、分解したものを微生物が食べないければ、本当の生分解にならないそうです。

群大2

そして最大の問題は、土などに比べると海には微生物が少ないそうです。

日本各地の海岸から海水を採取・分析して存在する微生物を探すという

地道な作業をしたそうです。

研究って、コツコツと積み重ねていくものなのですね:icon2_catface:

専門的なことが解らなくても、充分に興味深いお話で勉強になりました:icon2_happy02:

先生、ありがとうございました。

後半は、東洋紡株式会社のパッケージ開発部の方が講演をしました。

群大1

仕事でも身近な、包装資材のお話でした。

ここでも、包装資材のリサイクル性の改善のために

大手資材メーカーから、モノマテリアル構成にする動きが進んでいるそうです。

類似の樹脂から構成することにより、均一に混合が可能となり

リサイクルした製品の質が上がり、再生品用途が広がるそうです。

この話は食品加工メーカーとしても、重要な事で使用する資材の検討材料になります。

便利さから生まれた問題点を、考えさせられた公開講座でした。