2019年も残すところ、あと10日となりました。
2020年は、より一層環境問題がクローズアップされる年になりそうです。
政府だけでなく、大手企業は早くから「プラスチックゴミ問題」に着目し
その改善に取り組んでいるそうです。
日本は、高温焼却炉にてゴミを燃やしているので海に流出するゴミは
世界的にみると少ないのですが、焼却時に発生するCO2を指摘さています。
2015年7月に外務省が国連気候変動枠組条約(UNFCCC)へ
CO2排出量を2030年度までに2013年度比▲26%とする草案を提出しました。
これにより、バイオマス由来プラスチックの普及が具体化されたのです。
7月のレジ袋有料化にもつながります。
そして世界的には「マイクロプラスチック問題」も深刻化しており
勉強しなければならない課題だと思っていました。
そんな矢先に、海洋プラスチックゴミ問題に何年も前から取り組んでいた
群馬県食健康科学教育研究センター長・粕谷先生の公開講座の案内を
いただきました。
学生さんだけではなく、一般人も受講できるということで
群馬大学の桐生キャンパスに行ってきました。
現在、土では分解できるプラスチックはあり、製品化されているが
海で分解できるもの(海洋生分解プラスチック)製品はないそうです。
しかし、製品化まであともう一歩のところまできているそうです。
(その内容は、某テレビ番組で取り上げられました。先生も出演していました)
素人考えだと、「海で分解できればいいんじゃあない」と思ってしまいます。
海洋ゴミの多くは、漁具だとも言われています。
しかし、漁具が海で使用している最中に分解してしまったら、元も子もありません。
そこで、先生の研究チームは破損して海の底に沈んでしまった段階で、
「トリガー(外部刺激)」から分解がはじまるようにすることを考えたそうです。
また、分解したものを微生物が食べないければ、本当の生分解にならないそうです。
そして最大の問題は、土などに比べると海には微生物が少ないそうです。
日本各地の海岸から海水を採取・分析して存在する微生物を探すという
地道な作業をしたそうです。
研究って、コツコツと積み重ねていくものなのですね
専門的なことが解らなくても、充分に興味深いお話で勉強になりました
先生、ありがとうございました。
後半は、東洋紡株式会社のパッケージ開発部の方が講演をしました。
仕事でも身近な、包装資材のお話でした。
ここでも、包装資材のリサイクル性の改善のために
大手資材メーカーから、モノマテリアル構成にする動きが進んでいるそうです。
類似の樹脂から構成することにより、均一に混合が可能となり
リサイクルした製品の質が上がり、再生品用途が広がるそうです。
この話は食品加工メーカーとしても、重要な事で使用する資材の検討材料になります。
便利さから生まれた問題点を、考えさせられた公開講座でした。